いびき治療

 寝ているときの"いびき"は自分ではわからず、他人に迷惑がかかりやすいものと考えがちです。しかし現実は、閉鎖型睡眠時無呼吸症候群(以下OSAS)の徴候であり、自分の体も痛めつけています。

 耳鼻科などでOSASの診断があれば保険での診療が受けられますが、その方法で一般的なのは手術的に口蓋垂(一般的には"のどちん○"←書いていいのでしょうか?教えてください)の周囲の粘膜を切る口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(以下UPPP)が選択されているようです。しかし、飲み込むと鼻から物が出るなどの手術合併症も多く報告され、リスクがある上に一旦手術したら元に戻せません。では、リスクの少ない方法は無いのでしょうか。

 リスクを少なくするためには、やめれば元に戻る方法がベストです。診断にもよりますが耳鼻科領域では経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)といって、頭に巻いた鼻のマスクに高圧の空気を送って強制的に呼吸させる方法があります。当然やめれば元通りの方法といえます。

 我々歯科領域ではマウスピースを用います。上あごと下あごにマウスピースを装着し、連結することで舌が持ち上がり気道を広くする物です。気道が広くなれば呼吸の通りが良くなり、いびきの減少と酸素吸収が良くなるので、熟睡感や頭痛、集中力不足などOSASの症状が改善されます。ただし、慣れるまでの異物感はあります。

 マウスピースは1日で作りますので、期間も要しません。しかし我々歯科では治療は認められてもOSAS の診断は残念ながら認められていませんので、保険診療を行う場合は耳鼻科からOSASであるという診断書と紹介状をお持ちいただく必要があります。しかし、この診断には非常に大変な検査を要するので、クリニックへダイレクトに来院され、自費診療としてマウスピースを使われる方が現実的と考えます。お気軽にご相談ください。

※マウスピースで全てのOSASが改善されるわけではありません。重症の場合は外科的方法も必要となります。しかし、まず使ってみることをお勧めしています。